こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「有給休暇を正しく取るには、どうすればいいの?」
有給休暇を初めて取得するのであれば、このように悩んでしまう方も多いかと思います。
有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利であるため、原則として職場側は従業員が申請した有給休暇を拒否することはできません。
しかしながら、それはあくまでルールに沿って申請することが条件となります。
有給休暇の申請ルールに違反した場合には、有給休暇を取得できないこともあるかもしれません。
果たして有給休暇を正しく取るには、どうすればいいのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。

一応、私も社労士の資格を有しており、さらに人事部としての実務経験も8年近くありますので、多少の参考にはなるかと…。
正しい有給休暇の取り方は職場のルールに従うだけ

前述の通り、そもそも有給休暇の取得は法律で定められた労働者の権利であるため、いつでも自由に取ることができます。
とはいえ、労働者がいつでも自由に有給休暇を取得できるとなると、営業に支障をきたす可能性があるため、有給休暇は事前申請が原則となっています。
「何日前に申請する必要があるのか?」については特に法律で定めがないため、申請期間は職場のルールに従うのが基本です。
だいたい「前日から2週間前」くらいに設定されていることが多く、急な病気やアクシデントなどのやむを得ない場合を除いて、当日申請や事後申請は認められないのが一般的です。
▼有給休暇の事後申請の可否については、下記の記事をご参照ください。
また、申請方法についても職場によって異なるため、事前に確認した上で、ルールに沿って手続きを行う必要があります。
◆有給休暇の代表的な申請方法
- 紙の申請書を提出する
- ワークフローで申請する
- 専用のツールやシステムから申請する
このように、有給休暇の申請期間や申請方法は職場によって異なりますが、職場のルールに従えば基本的にそれでOKです。
よって、「有給休暇の正しい取り方=職場のルールに沿った取り方」と捉えておけば問題ありません。
有給休暇の正しい取り方の確認方法

前述の通り、有給休暇を正しく取るには職場のルールに従うだけで問題はありませんが、肝心のルールについてはどうやって確認すればいいのでしょうか?
そこで本章では、有給休暇の正しい取り方の確認方法をご紹介します。
具体的には、以下の3つです。
- 周囲に聞く
- 社内ポータルやグループウェアをチェックする
- 就業規則を確認する
①周囲に聞く
いちばん手っ取り早いのは、周囲に聞く方法です。
上司や先輩社員など、過去に有給休暇を取得したことがある人に聞けば、申請のルールや申請方法のやり方を教えてもらえるハズです。
②社内ポータルやグループウェアをチェックする
社内ポータルやグループウェアがある場合には、それらをチェックするのも1つの方法です。
職場によっては社内ポータルやグループウェアの中に、有給休暇の申請方法に関するマニュアルや手順書が搭載されているケースもあります。
必ずしもあるとは限りませんが、一度確認してみましょう。
③就業規則を確認する
いちばん確実なのは、就業規則を確認する方法です。
就業規則には「絶対的必要記載事項(必ず記載しなければならない事項)」というものがあり、有給休暇に関する定めはこの絶対的必要記載事項の1つに含まれています。
そのため、就業規則を確認すれば、有給休暇の申請方法について知ることができます(※ただし、申請方法については必ずしも記載する必要がないため、職場によっては記載がない場合もあります)。

就業規則の確認方法がわからなければ、担当部署(人事部など)に聞いてみましょう。
有給休暇を取る際のポイント

有給休暇はいつでも自由に取得できるのが原則ですが、実際に取る際は周囲への配慮も必要です。
そこで本章では、有給休暇を取る際のポイントをご紹介します。
具体的には、以下の通りです。
- 繁忙期はなるべく避ける
- 事前に休むことを共有しておく
繁忙期はなるべく避ける
有給休暇はいつでも自由に取得できるとはいえ、繁忙期はなるべく避けることをオススメします。
繁忙期は職場全体が慌ただしくなっており、そのような時期に休んでしまうと、周囲に迷惑をかける可能性が高くなります。
仮に周囲に迷惑がかからなかったとしても、繁忙期に休んでしまうと仕事が一気に溜まり、休み明けに大変な思いをするかもしれません。
もちろん絶対にダメというわけではありませんが、緊急の場合を除いて、繁忙期は有給休暇の取得はなるべく避けた方が賢明です。

なお、企業には例外的に時季変更権が認められているため、繁忙期に有給休暇を取得しようとすると、他の時期にずらすよう指示される可能性もあります。
事前に休むことを共有しておく
有給休暇を取る場合には、その日に休むことを事前に共有しておくことをオススメします。
職場の人たちや取引先などに事前に休むことが共有されていれば、相手もそれに合わせて業務の調整がしやすくなります。
また、自分の不在期間があらかじめわかっていれば、相手も連絡時期をずらすなどの配慮をしてくれることもあり、休み中に仕事が溜まることの防止にもなるでしょう。
◆有給休暇の取得を事前に共有する方法の例
- 共有の予定表に入れておく
- メールの件名や末尾にひと言添えておく(※「○月○日はお休みをいただきます」など)
有給休暇を取りやすい時期は?

本章では参考として、有給休暇を取りやすい時期をご紹介します。
具体的には、以下の4つです。
- 閑散期
- 年末年始
- 土日と祝日に挟まれた平日
- 10月
もちろん職場によって状況はさまざまなため、どこの職場にも当てはまるわけではありませんが、1つの参考としていただければと思います。
①閑散期
前述の通り、繁忙期には有給休暇の取得は避けた方が賢明ですが、逆に閑散期は有給休暇を取得する絶好のチャンスと言えます。
閑散期であれば職場全体が暇なため、休んでも業務がたまる心配が少なく、周りの目もそれほど気にならないでしょう。
繁忙期と閑散期がはっきりと分かれている職場であれば、閑散期には積極的に有給休暇を取得することをオススメします。
②年末年始
年末年始も有給休暇を取得するチャンスと言えます。
年末年始はもともと休みの職場が多いでしょうが、その前後に有給休暇を取得して、さらに大型連休にすることも可能です。
例えば、12/29~1/3が職場の休みである場合に、12/28や1/4に有給休暇を取得するのです。
世間ではクリスマス後くらいから「今年は終わり」ムードに入るため、それにつられて職場全体がのんびりモードになることも少なくありません。
そのような状況であれば、1日や2日休んだとしても、特に支障はないでしょう。
もちろん、どこの職場にも当てはまるわけではありませんが、年末年始の時期は比較的穏やかな職場であれば、有給休暇の取得を検討してみてもいいかもしれません。
③土日と祝日に挟まれた平日
土日と祝日に挟まれた平日も、有給休暇を取りやすい時期と言えます。
例えば、日曜日と火曜日の祝日に挟まれた月曜日(パターン①)や、木曜日の祝日と土曜日に挟まれた金曜日(パターン②)などです。
土 | 日 | 月 | 火 |
休日 | 休日 | ● | 祝日 |
木 | 金 | 土 | 日 |
祝日 | ● | 休日 | 休日 |
これらのケースにおいては、挟まれた平日に有給休暇を充てることで、4連休を作り出すことができます。
土日と祝日に挟まれた中途半端な平日は、何となく社会全体がダラけモードに入っている感じがあり(※あくまで個人的な感覚ですが…)、4日休んでも意外と仕事はたまりません。
このテクニックを使う人は意外と多く、まとまった休みを取りたい人には特にオススメです。

4連休もあれば、旅行もしやすくなります。
④10月
意外かもしれませんが、実は10月も有給休暇を取得するチャンスです。
というのも、毎年10月は厚生労働省が「年次有給休暇取得促進期間」として、有給休暇の取得を呼びかけているからです(参照:厚生労働省『10月は「年次有給休暇取得促進期間」です』)。
であれば、10月はいくぶんか有給休暇を取得しやすいでしょう。
何しろ、国が有給休暇の取得を促進しているのですから…。
まとめ:有給休暇の取得に負い目を感じる必要はない
最後にまとめておきます。
- 有給休暇を正しく取るには、職場のルールに従えば基本的に問題ない
- 職場の有給休暇の申請ルールは周囲に聞く他、社内ポータルやグループウェア、就業規則でも確認できる
- 繁忙期には有給休暇の取得はなるべく避けた方がいい
有給休暇の正しい取り方については特に難しく考える必要はなく、職場のルールに従えば基本的に問題はありません。
繰り返しになりますが、有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利であるため、有給休暇を取得することに変な負い目を感じる必要はないと言えます。
職場のルールに従いつつ、機会があればぜひ有給休暇を取得していきましょう。

私の現職の『自宅警備員』は365日休みなしで職務にあたる必要があるため、残念ながら有給休暇の取得は断念せざるを得ないようですね。

………。
以上、またお会いしましょう。