こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「給与を上げてほしいけど、昇給交渉のやり方がわからない…」
「うかつに昇給交渉をしたら、評価が下がるのでないか?」
給与を上げてほしいと考えているのであれば、このようにお悩みの方も多いかと思います。
仕事のモチベーションは人によって違うでしょうが、年収が大きなウェイトを占めている方も多いハズです。
基本的に私たちは、労働の対価として賃金を得ているわけですので、別にそのこと自体は何も恥じることはありません。
しかし、いざ昇給交渉をしようとしても、どのように行えばいいか全くわからない方も多いのではないでしょうか?
また、「下手に交渉を持ちかけると、金に卑しいヤツみたいに思われ、最悪の場合は評価が下がってしまうのではないか?」と、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
果たして昇給交渉は、どのように行えばいいのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。

一応、私も会社員時代に昇給交渉を2回ほど成功させた経験がありますので、多少の参考にはなるかと…。
昇給交渉を行うべき理由

そもそもですが、昇給交渉は行ってもいい行為なのでしょうか?
基本的に昇給は上が決めることであり、私たちのような一般従業員から交渉を持ちかけることは可能なのでしょうか?
ただ、この点については、全く心配は無用です。
昇給交渉は、世間一般的にも行われていることです。
別に、非常識や無礼な行為ではありません。
もちろん、今の給与に満足しているのであれば交渉は必要ないですが、少しでも給与を上げてほしいと考えているのであれば、昇給交渉は積極的に行うべきです。
昇給交渉を行うべき理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 待っているだけでは、定期昇給しか望めないから
- 交渉も重要な能力の1つと考えている管理職が多いから
- 昇給交渉をしたとしても、評価が下がることはないから
①待っているだけでは、定期昇給しか望めないから
賃金体系(給与支払いのルール)は、職場によってさまざまです。
よって、昇給のタイミングやスピードも、職場によって異なります。
ですが、ほとんどの職場に当てはまる傾向があります。
それは、「待っているだけでは、定期昇給しか望めない」ということです。
定期昇給とは、勤続年数や年齢等に応じて自動的に給与が上がる制度で、基本的にその昇給額は微々たるものです。
大きな昇給が期待できるのは、一般的には役職に就いたり昇進したりする時です。
よっぽどの功績でもあげない限り、基本的に大きな昇給は望めません。
企業としても、人件費はなるべく抑えたいというのが本音です。
なので、「従業員から何も言ってこない → 現状の給与に不満はない」という、勝手に都合の良い解釈(?)をされてしまいます。
よって、昇給を望むのであれば、こちらから動く必要があります。
現在の給与に不満を漏らしているだけでは、何も変わらないのです。

「待っているだけでは、何も得られない」という意識を持つようにしましょう。
②交渉も重要な能力の1つと考えている管理職が多いから
私の経験上、部長クラスの大きな決定権を持つ管理職の方は、交渉も重要な能力の1つと考えていることが多いです。
つまり、「給与を上げてほしいなら、交渉しなさい」というスタンスの方が、管理職には多いということです。
裏を返すと、「交渉もせずに黙っているヤツは、昇給などさせない」ということでもあります。
もちろん全ての管理職の方が、このような考え方を持っているわけではありません。
ですが、交渉能力に重きを置いている管理職の方は多いです。
昇給交渉は難度の高い交渉ですから、それなりの交渉能力が求められます。
よって、「昇給交渉を成功させる → 交渉能力の高い人材 → 昇給に値する人物」という図式が、成り立つのかもしれません。
ここは1つ、「昇給交渉も立派な交渉」という意識を持つようにして、こちらから動いてみましょう。
③昇給交渉をしたとしても、評価が下がることはないから
多くの方が昇給交渉を躊躇するのは、「評価が下がるかもしれない」という理由かと思います。
確かに、自身の給与に関する交渉をするわけなので、相手にあまりいい印象を与えないと思ってしまいがちです。
しかし、基本的にはそのような心配は無用です。
なぜなら、昇給交渉をすることで評価が下がることはほとんどないからです。
もちろん交渉をする際に、感情的になったり失礼な態度を取ったりすれば、評価が下がることもあるでしょう。
しかし、丁寧な態度でしっかりとした交渉を行えば、評価が下がることはありません。
昇給交渉は基本的にハードルが高いため、失敗に終わる可能性も高いです。
ですが、仮に不発に終わったとしても、その後のキャリアに支障をきたすことは、まずありません。
よって、過度に周りの目や評価への影響を気にして、昇給交渉を躊躇する必要はないのです。
昇給交渉はタイミングが命

さて、実際に昇給交渉をしようとした時に、最も重要になってくるのはタイミングです。
正直タイミングを間違えてしまうと、どんなにうまい交渉をしたとしても、成功の確率は大幅に下がってしまうかと思います。
ではいったい、昇給交渉をするタイミングはいつが適切なのでしょうか?
基本的にどこの職場も、年に1回もしくは複数回の人事考課面談があるため、そのタイミングで交渉をしようと考える方が多いかと思います。
しかしながら、実は「人事考課面談の段階で昇給交渉をするのでは遅い」場合が多いです。
確かに一般的な昇給の流れは、「人事考課 → 評価の決定 → 昇給額の決定」という形にですが、それはあくまで形式上の話です。
当然ですが人件費にも予算があるため、残念ながら人事考課をする前におおよその昇給額というのは、既に決まっているケースが多いのです。
つまり、どれだけうまい交渉をしたとしても、人事考課の時期では昇給額を変更することが予算の関係上、非常に難しくなってしまうのです。
※特に大企業であるほど、この傾向が強いです。
なので、昇給交渉をするタイミングとしては、人事考課の少し前に行うのが適切です。
具体的には、職場内で予算を立てるタイミングで行うのがいいかと思います。
予算を立てる段階であれば、昇給の要望にも柔軟に対応してもらえる可能性が高くなります。

予算を立てるタイミングは職場によってさまざまなので、自分も含め周りが予算の策定で慌ただしくなってきた時期を見計らいましょう。
また、それとは別に、上層部から新たな業務等を打診された時なども、昇給交渉をするチャンスと言えます。
具体的には、
- 大きなプロジェクトを任された
- 急な欠員が出て、その人の業務を引き継ぐことになった
- ボロボロな部署の立て直しを依頼された
…などです。
「ギブアンドテイク」ではありませんが、自身の責任や負担が増えるのであれば、それと引き換えに給与をあげてほしいと交渉するのは、自然の流れかと思います。
もしそのような場面が訪れたら、昇給交渉を検討してみてはいかがでしょうか?
いずれにせよ、昇給交渉はタイミングが非常に重要です。
交渉をするのであれば、慎重にタイミングを見極めましょう。
昇給交渉をする際のポイント

では実際に、昇給交渉をする際のポイントについて見ていきたいと思います。
当然ながら、ただ単に「給与を上げてほしい」と懇願するだけでは、なかなか昇給は認められません。
ポイントをおさえた上で、あらかじめ準備しておくことが重要です。
①事前に相場を確認しておき、昇給の希望額を決めておく
昇給交渉をする際には、あらかじめ具体的な希望額を決めておく必要があります。
「具体的にどれくらいの昇給を望んでいるのか?」と聞かれて、即答できなかったり根拠のない額を伝えたりしてしまうと、交渉は一気に難航してしまいます。
昇給額は高いに越したことはないでしょうが、法外な金額を要求しても相手にされません。
事前に自身の属する業界や年齢・家族構成にふさわしい平均給与を調べておき、それに近い金額を要求するのが現実的でしょう。
いずれにせよ、交渉前に具体的な希望昇給額とその根拠を用意しておくことは必須です。

なお、「〇〇さんは××円だけもらっているので、私もそれくらい欲しい」という内容では、説得力がなく一蹴される可能性が高いでしょう。
②昇給の決定権を持つ方と交渉する
これは特に重要なポイントですが、昇給交渉をする場合には、決定権を持つ方に交渉しましょう。
具体的には、直属の上司のさらに上の上司(部長クラス)の方などです。
というのも、直属の上司にいくら交渉をしたとしても、その方に昇給の決定権がなければほとんど意味がないからです。
そのようなケースで熱心に交渉したとしても、「わかった、上に話してみる」と言われて、そのままうやむやにされる可能性が高いでしょう。
直属の上司が決定権を持っている環境であれば問題ないですが、そうでない場合には、必ず決定権を持つ方に交渉するようにしましょう。

とはいえ、部長クラスの方に交渉するのは、気が引けるのですが…。

気持ちはわかりますが、そこで気後れしていては昇給は勝ち取れません。
勇気を持って交渉してみましょう。
③交渉する際は、感情的にならずに淡々と
そして、実際に交渉をする場では、感情的にならずに淡々と進めることも重要です。
「私はこのような実績を残しているのだから、然るべき昇給を望みます」と、淡々と交渉を進めましょう。
もちろん、昇給交渉は難度が高く一筋縄ではいかないことが多いのですが、そこで感情的になったり、しつこく粘ったりするのはNGです。
前述の通り、昇給交渉をしても評価が下がることはないのですが、感情的になったり失礼な態度を取ったりした場合は、完全に話が別です。
そのような場合には、「自分の利益しか考えていない人間」として評価を下げられてしまう可能性が高くなります。
交渉の場では、冷静さが何より重要です。
「交渉は感情的になった時点で終わり」と、肝に銘じておきましょう。

カッとなりやすい人は、事前にイメージトレーニングなどをしておいた方がいいかもしれません。
そもそも昇給が望めない職場であれば、転職も検討しましょう
そもそもですが、いくら用意周到に交渉を進めたとしても、昇給が望めない(不可能な)職場であれば、どうしようもありません。
具体的には、
- 業績不振が続いていて、そもそも全くお金に余裕がない職場
- 大企業等で、規定通りの型にハマった運用しか行わない職場
- 元々の賃金ベースが低い職場
…などです。
このような環境では、そもそも職場全体として昇給が望めないため、昇給交渉の余地がないと言えます。
そんな時には、思い切って転職を検討するのも1つの手です。
特に年収が大きなモチベーションになっている方にとっては、昇給の望めない職場に長居するのは、あまり適切ではないと言えます。
ご自身のキャリア形成も考慮した上で、一度じっくりと検討してみましょう。
▼オススメの転職エージェントについては、下記の記事をご参照ください。
まとめ:昇給は自ら交渉して勝ち取るもの
最後にまとめておきます。
- 待っているだけでは定期昇給しか望めないので、昇給交渉は積極的に行うべきである
- 昇給交渉をしたとしても、評価が下がることはない(※冷静に行った場合のみ)
- 昇給交渉をするタイミングは、人事考課前の予算を立てる時期や新たな業務を任された時が適切である
- 事前に昇給の希望額を決めておき、その根拠も準備しておく
- 昇給交渉をする場合には、決定権を持つ方に交渉する
- そもそも昇給が望めない職場であれば、転職も検討する
確かに昇給交渉には、勇気がいると思います。
しかしながら、何度もお伝えしている通り、待っているだけでは昇給はほとんど期待できません。
ビジネスにおいて交渉能力は必須と言えます。
これは自らの給与においても同じです。
やはり、
「昇給は自ら交渉して勝ち取るもの」
ということなのでしょう。

私は遅刻の常習犯で、業務中も居眠りばかりしているのですが、この場合でも昇給交渉は可能なのでしょうか?

………。
以上、またお会いしましょう。