こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「今の職場を退職するつもりだけど、せっかくならボーナスをもらってから退職したい…」
退職を検討しているのであれば、このようにお悩みの方も多いかと思います。
年収におけるボーナスの比重が大きい職場であれば、なおさらでしょう。
とはいえ、
「ボーナス支給前に退職の意志を伝えてしまうと、ボーナスがもらえなくなるのでは?」
「ボーナスをもらってから退職するなんて、がめついヤツだと思われるかもしれない…」
などと不安になってしまう方も、中にはいらっしゃるかもしれません。
果たして、ボーナスをもらってから退職することは可能なのでしょうか?
また、ボーナスをもらってから退職するのは、本当にがめついことなのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私も社労士の資格を有しており、さらに人事部としての実務経験も8年近くありますので、多少の参考にはなるかと…。
▼退職の申し出についてお悩みの方は、下記の記事をご参照ください。
ボーナスをもらってから退職することは可能&問題なし
さて、さっそく結論を申し上げますと、
「ボーナスをもらってから退職することは可能であるし、全く問題のない行為である」
です。
もちろん条件付きではありますが、ボーナスをもらってから退職することは十分に可能です。
また、ボーナスをもらってから退職することは全く問題のない行為であり、別にがめついことでもありません。
よって、退職を検討中であれば、ボーナスの支給を見越してスケジュールを組むことをオススメします。
これから順を追って、ご説明します。
まずは就業規則(賃金規定)を確認しましょう
さて、ボーナスをもらってから退職するためには、前提としてボーナスの支給要件を満たす必要があります。
ただし、ボーナス支給のルールは職場によって異なるため、まずは職場のボーナス支給のルールを確認する必要があります。
ボーナス支給のルールについては、就業規則(賃金規定)で確認可能です。
したがって、ボーナスをもらってから退職するためには、まずは就業規則(賃金規定)でボーナスの支給要件を確認しておきましょう。
就業規則なんて、我々のような従業員が見られるのですか?
就業規則には周知義務があるので、大丈夫です。
確認方法がわからなければ、担当部署(人事部など)に確認してみましょう。
一般的なボーナスの支給要件
本章では参考として、一般的なボーナスの支給要件をご紹介します。
具体的には、以下の通りです。
- 支給日に在籍している
- 対象期間中に一定期間以上の勤務がある
- ただし~
①支給日に在籍している
よくあるのが、『在籍要件』です。
在籍要件とは、ボーナス支給日に実際に在籍していなければ、ボーナスを支給しないというルールのことです。
例えば12/10がボーナス支給の職場であれば、支給日である12/10まで職場に在籍している必要があり、仮に12/9が退職日であるとボーナスは支給されません。
この「在籍していなければ」という要件ですが、有給休暇消化中でも要件を満たします。
たとえボーナスの支給日が有給休暇の消化中であったとしても、その職場には在籍していることになるため、在籍要件はクリアできます。
②対象期間中に一定期間以上の勤務がなければ、支給しない
次によくあるのが、『勤務要件』です。
勤務要件とは、ボーナス支給の対象となる期間中に一定期間以上の勤務(出勤)がなければ、ボーナスを支給しないというルールのことです。
例えば12/10支給のボーナスが4~9月の期間の成績に対して支給されるものであれば、4~9月の間に一定以上の勤務(出勤)日数がなければ、ボーナスは支給されません。
ただ、この要件が関係してくるのは、基本的に中途入社者や休職者くらいです。
病気やケガなどで長期の休みを取っていなければ、この要件に引っかかることはほとんどないでしょう。
③ただし~(※これが一番重要)
実は一番重要なのが、この「だだし~」という『ただし書き』です。
最後にサラっと厳しいことが書いてあるケースも多いため、要注意です。
例えば、
- ただし、退職予定者には支給しない
- ただし、入社1年未満の者には支給しない
などです。
これらの文言があれば、他の要件を全て満たしていたとしてもボーナスは支給されません。
実際、このような厳しいルールを定めている職場は少なくありません(※個人的には、ただ単にセコいだけだと思ってしまいますが…)。
このようなルールが定められている場合には、残念ながらボーナスは諦めるか、支給日まで退職の申し出を遅らせるしかないため、十分にご注意ください。
退職前にボーナスをもらっても、周りの目を気にする必要はなし
さて、ボーナスの支給要件を全て満たしており、ボーナスをもらってから退職することが可能であったとしても、次に心配なのが周りの目です。
「アイツは退職するのに、ボーナスをもらう気なのか?」
「もらうものをもらってから退職するなんて、がめついヤツだ」
などと陰で噂されているのではないかと、疑心暗鬼になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、この点については、周りの目を気にする必要は全くありません。
なぜなら、ボーナスをもらうのは当然の権利だからです。
というか、ボーナスのために日頃から重い責任も負っているハズです(←言い過ぎ?)。
それに私自身の人事部在籍時の経験では、ボーナスをもらってから退職する人間なんてザラにおり、むしろそれが当たり前という感じでした。
このように、ボーナスをもらってから退職するからといって、周りの目を気にする必要は全くないと言えます。
逆に支給する側からすると、なるべく退職者にはボーナスを支給したくないハズです。
場合によっては、退職日の前倒しを打診されることもあるため、ご注意ください。
最後のボーナス支給額に期待は禁物
最後に1つ注意点があります。
それは…、
「最後のボーナス支給額に期待は禁物」
ということです。
「今期は売り上げも好調だったので、結構もらえるだろう」と期待していると、実際に支給された時にガッカリするかもしれません。
というのも、退職(予定)者はボーナスの査定が冷遇される傾向があるからです。
ボーナスの支給にはさまざまな意味や目的がありますが、一番大きいのは従業員のモチベーション管理でしょう。
頑張った人間にはボーナスを多く支給することで、モチベーションアップに繋げ、逆にイマイチだった人間にはボーナスを少なくすることで、奮起を促すのが一般的です。
しかしながら、退職する人間に対して、このようなモチベーション管理は必要ないと言えます。
当然ながら、ボーナスにも予算があって、その限られた範囲内で支給をしなければなりません。
であれば、支給する側としても、できるだけ将来有望な人間に多くのボーナスを支給したいハズです。
そうなってくると、去っていく人間はどうしても冷遇されがちになります。
厳しいようですが、これが現実であり、仕方のないことです。
なので、まぁ…、「ボーナスをもらえるだけ幸せ」と思うようにして、金額については過度な期待はしないことをオススメします。
私も人事部に在籍していた頃に、ボーナスの支給額の件で退職者と揉めているのを何度も見ています…。
まとめ:目先のボーナスよりも今後の人生の方がはるかに重要
最後にまとめておきます。
- ボーナスの支給要件は、事前に就業規則(賃金規定)で確認が必要である
- 支給要件を全て満たしていれば、たとえ有給休暇消化中であってもボーナスは支給される
- ボーナスをもらってから退職することは特に珍しいことでもないため、周りの目を気にする必要は全くない
- 最後のボーナス支給額に期待は禁物である
繰り返しになりますが、ボーナスをもらってから退職したいのであれば、必ず事前に就業規則(賃金規定)を確認してから、退職の申し出をする時期を検討するようにしましょう。
この辺りの確認を怠ってしまうと、ボーナスをもらう機会を逃してしまうケースもあるため、注意が必要です。
ただ、ここまで書いておいてなんですが、ボーナスをもらうことに固執しすぎるのは、得策ではありません。
というのも、ボーナスをもらうためだけに次の職場の入社日を遅らせたり、独立開業の日を遅らせたりするのは本末転倒と言えるからです。
「どうせならボーナスをもらってから退職したい」というのは、当然の心理かと思います。
しかしながら、目先のボーナスよりも今後の人生の方がはるかに重要ではないでしょうか?
もちろん考え方は人それぞれでしょうが、その辺りの判断を誤らないよう、十分にご注意ください。
仮にボーナスをもらえなかったとしても、「そんなのは、はした金」と思えるくらい、これから稼げばいいのです!
と言いつつ、あなたは今も全く稼げていないようですが?
▼退職時における有給休暇の買取の可否については、下記の記事をご参照ください。
以上、またお会いしましょう。