こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「なぜ企業や転職エージェントは、求人を非公開にするの?」
転職活動中であれば、このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
以前は非公開求人と聞くと、役員や幹部候補のようなハイクラス求人や、大企業や有名企業のような人気求人が多いというイメージでした。
しかし昨今は、一般社員の求人や小さな企業の求人であっても、非公開にしているケースが増えています。
これには、どういった背景や意図があるのでしょうか?
そこで今回は、企業側と転職エージェント側の両方の視点から、『求人を非公開にする理由』をご紹介します。
非公開求人の実態について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
一応、私も転職歴は4回あり、さらに8年近く人事部として採用する側の実情も見てきましたので、多少の参考にはなるかと…。
企業が求人を非公開にする理由
ではまず、企業が求人を非公開にする理由から見ていきましょう。
具体的には、以下の3つです。
- 極秘で採用を進めたいから
- 採用の負担を減らしたいから
- 急ぎの求人ではないから
①極秘で採用を進めたいから
最初に挙げられる理由は、求人を非公開にすることによって、極秘で採用を進めたいからです。
求人情報を公開するということは、退職者の存在や新規プロジェクトの始動を世間一般に知られることにもなります。
そのため、社外(競合他社や株主など)になるべく知られないよう、極秘で採用を進めたいと思う企業は少なくありません。
また、退職者が出る事実が早い段階で社内に知れ渡ってしまうと、大きな混乱が生じる恐れがあります。
特に、重要なポジションの人や社歴の長い人が退職する場合には、職場の将来性に対する不安や上層部に対する不信感を招く危険も大きいため、慎重に進める必要があります。
「求人情報を出したくらいでは、そんな簡単に社内でバレないだろう」と思うかもしれませんが、これが驚くほどすぐにバレるものなのです(※意外と多くの人が、こまめに求人情報をチェックしているようです…)。
私の経験上、新規で求人を出すと、だいたい1週間もしないうちに社内で噂が広まっていましたね…。
このように、極秘で採用を進めたい企業であれば、非公開で求人を出すケースが多くなります。
②採用の負担を減らしたいから
次に挙げられる理由は、求人を非公開にすることによって、採用の負担を減らしたいからです。
職場によって多少の差はあるでしょうが、基本的に採用担当者は超多忙です。
私の経験上、採用担当者の人たちは常に夜遅くまで残業しているイメージでしたね。
加えて昨今は、昔のように履歴書を1枚ずつ手書きで作成する必要はほとんどなく、求職者側は簡単に求人に応募できる時代です。
応募のハードルが下がれば、言い方は悪いですが、ダメ元で手当たり次第に応募してくる求職者も増えてくるでしょう。
そのような状況において、下手に公開求人を出してしまうと、予想以上の応募が集まってしまい、採用担当者がパンクする恐れがあります。
特に、有名企業や人気企業であれば、求人を一般公開すると応募が殺到するのは必至です。
以上のような背景から、採用の負担を減らしたいと考えている職場であれば、非公開で求人を出すケースが多くなります。
③急ぎの求人ではないから
また、急ぎの求人ではない場合にも、企業が求人を非公開にするケースがあります。
求人が出されるタイミングは、退職者が出た時や新規事業を立ち上げた時だけとは限りません。
常に人材を欲している企業、いわゆる「良い人がいれば採用したい」というスタンスの企業も、世の中には数多く存在します。
そのような企業が一般公開求人で募集をかけようとすると、長期で求人を出さなければならないため、広告費の問題が発生します。
また、応募が来るたびに選考を行う必要があるため、手間の問題もあるでしょう。
その点、非公開求人であれば、転職エージェントは成功報酬型のサービス(雇用契約が成立した時のみ料金が発生する仕組み)であるため、求人広告費を節約できます。
加えて、エージェントがある程度希望に沿った人材を紹介してくれるため、選考の手間も軽減されます。
このように、「緊急で人材を欲しているわけではないが、良い人材がいれば採用したい」と考えている企業であれば、非公開で求人を出すケースもあるのです。
転職エージェントが求人を非公開にする理由
続いて、転職エージェントが求人を非公開にする理由を見ていきましょう。
具体的には、以下の2つです。
- プレミア感を出せるから
- リピーターを増やせるから
①プレミア感を出せるから
最大の理由は、恐らくコレでしょう。
同じ求人であっても、非公開となっている方がプレミア感を出せるからです。
転職エージェントは前述の通り、成功報酬型のサービスです。
雇用契約が成立して初めて、企業から紹介料として報酬(内定者の年収の30%程度)を受け取れます。
よって、転職エージェントとしては、より多くの転職を成功させることが目的となります。
そのためには、求職者にも積極的に転職活動を進めてもらう必要がありますが、どこからでも応募できる一般公開求人を紹介しても、求職者はあまり興味を持ってくれないでしょう。
そこで、転職エージェント側も「自社でなければ紹介できない」という特別感を求職者に持ってもらうべく、非公開求人を扱っているのです。
「実はあなただけに紹介したい、とっておきの求人があるのですが…」といった感じで非公開求人を切り出せば、求職者も前向きに検討してくれる可能性が高くなります。
このように、転職エージェントの戦略によって、求人が非公開になっているケースもあります。
そのため、時には「わざわざ非公開にする必要があるの?」と思うような案件も紹介されることがあるため、注意が必要です。
非公開求人を紹介されても、全く見当違いの案件であれば、キッパリと辞退しましょう。
②リピーターを増やせるから
もう1つの理由は、非公開求人を扱うことでリピーターを増やせるからです。
企業側も非公開求人として、転職エージェントから良い人材を紹介してもらえたら、次回も依頼しようと思ってくれるでしょう。
同様に求職者側も、良い非公開求人を紹介してもらえたら、また利用しようと思う可能性が高くなります。
このように、転職エージェントは非公開求人を扱うことによって、リピーターを増やす効果も狙っているのです。
とはいえ、中には目先の利益最優先で、とにかく転職を成立させようとしてくる悪質なエージェントも存在するため、こちらも注意が必要です。
悪質なエージェントと判断したら、サッサと縁を切りましょう。
▼信頼できる転職エージェントをお探しであれば、下記の記事をご参照ください。
まとめ:非公開求人に対して、変な先入観を持たないことが重要
最後にまとめておきます。
◆企業が求人を非公開にする理由
- 極秘で採用を進めたいから
- 採用の負担を減らしたいから
- 急ぎの求人ではないから
◆転職エージェントが求人を非公開にする理由
- プレミア感を出せるから
- リピーターを増やせるから
求人を非公開にする理由は、企業や転職エージェントによってさまざまです。
そのため、「非公開求人=お宝求人」と安易に考えたり、「非公開求人=怪しい」と敬遠したりするのは、やや早計と言えるでしょう。
やはり、非公開求人に対して、変な先入観を持たないことが重要です。
企業や転職エージェントが求人を非公開にする理由をしっかりと理解した上で、冷静に見極めていきましょう。
転職活動に焦りは禁物です。
以上、またお会いしましょう。