こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「社労士試験は独学でも合格できるの?」
社労士試験の受験を検討しているのであれば、このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
社労士試験は、合格率6~7%の難関資格です。
合格率は年度によって変わりますが、昨年の令和4年は『5.3%』となっており、決して簡単な試験ではありません。
◆直近5年間の社労士試験の結果概要
そのため、多くの受験生がスクールや通信講座を利用して、社労士試験の勉強をしています。
とはいえ、スクールや通信講座を受講するとなると費用がかかるため、独学で合格を目指せるのであれば、できるだけ独学で乗り切りたいと思う方も多いでしょう。
果たして、独学で社労士試験に合格するのは難しいのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私も働きながら社労士試験に合格した実績がありますので、多少の参考にはなるかと…。
社労士試験に独学で合格するのは非常に難しい
さて、さっそく私なりの結論を申し上げますと、
「独学で社労士試験に合格するのは非常に難しい」
です。
もちろん、独学で社労士試験に合格することは絶対に不可能ではありませんし、独学を否定したいわけではありません。
しかしながら、独学で社労士試験の合格を目指すのは、やはりオススメできません。
仮に十分な勉強時間を確保できる方や、モチベーションの維持に自信がある方であっても、「独学での合格は非常に難しい」というのが私の見解です。
これから順を追って、ご説明します。
社労士試験に独学で合格するのが難しい理由
ではなぜ、社労士試験に独学で合格するのは難しいのでしょうか?
理由としては、以下の4つが挙げられます。
- 試験範囲が広すぎて、要点を絞れないから
- 法改正や判例にも対応する必要があるから
- 足切り制度が大きなネックになるから
- 過去問でしか本試験対策ができないから
①試験範囲が広すぎて、要点を絞れないから
やはり最大の理由は、これです。
社労士試験は試験範囲が広すぎて、独学では要点を絞れないからです。
社労士試験の試験範囲は、大きく分けて「労働関係科目」と「社会保険関係科目」の2つですが、実際の試験科目としては、なんと10科目もあるのです。
◆社労士試験の試験科目
科目が多いからといって「広く浅く」の勉強法が有効かといえば、それでは通用しないのが社労士試験の厳しいところです。
どの科目もそれなりにボリュームがある上に、深い理解が求められます。
特に厄介なのは、「厚生年金保険法」と「一般常識」です。
「厚生年金保険法」は全体的に非常に難解で、「一般常識」は出題範囲に限定がなく対策も立てづらいため、多くの受験生にとって鬼門となっています。
そのため、社労士試験ではテキストを丸暗記するという「力わざ」は通用せず、要点を絞って勉強することが非常に重要となってきますが、独学ではそれが非常に困難です。
要点を絞れないがゆえに、結果的にテキストを丸暗記する形になってしまい、途中で挫折する人が多くなるのです。
②法改正や判例にも対応する必要があるから
2つ目の理由は、社労士試験は法改正や判例にも対応する必要があるからです。
社労士試験は、法改正や判例に関連する問題も出題されます。
特に年金や雇用・健康保険に関しては、頻繁に法改正が行われており、試験でも狙われやすい論点であるため、試験対策として避けては通れない部分です。
しかしながら、独学の場合には、最新の法改正や判例も自分自身で情報収集をする必要があります。
自力でそれらを全てカバーするのは、かなり難しいと言えるでしょう。
③足切り制度が大きなネックになるから
3つ目の理由は、社労士試験には足切り制度があり、独学ではそれが大きなネックになるからです。
社労士試験には各科目に基準点が設けられており、1科目でも基準点を満たせなかった場合には、仮に総得点が合格基準を超えていたとしても、不合格となってしまいます。
◆社労士試験の合格基準(原則)
この足切り制度こそが、社労士試験を難関たらしめている最大の要因であり、合格率の低さにも繋がっています。
そのため、社労士試験では得意科目で苦手科目の穴埋めをするといった戦術が取りづらく、全科目でまんべんなく得点を取れる実力が求められます。
しかしながら、独学では一度苦手意識を持ってしまうと、それを克服するのは非常に困難です。
その結果、総得点では合格基準に達しているのに、足切り制度によって不合格となってしまうケースが毎年多く発生するのです。
一応、社労士試験には「救済措置」というものが存在し、難易度の高い科目では合格基準点が本来の基準よりも引き下げられることがあります。
とはいえ、どの科目が救済措置の対象になるかはわからないため、あまりアテにはできません。
④過去問でしか本試験対策ができないから
4つ目の理由は、独学は過去問でしか本試験対策ができないからです。
社労士試験に限らず、ほとんどの試験において過去問対策は非常に重要です。
過去問を繰り返し解くことで、試験で問われやすい論点や引っかけのパターンなどがわかってきます。
もちろん、社労士試験においても過去問対策は非常に有効ですが、それだけで本試験に合格するのはやや厳しいと言えます。
というのも、前述の通り、社労士試験は最新の法改正や判例などからも出題されるからです。
加えて、社労士試験は出題範囲が膨大であるため、最近のトピックスや、ある程度の試験委員対策なども必要となってくるからです。
最新の法改正や判例の情報を集めるのも大変ですが、トピックスや試験委員対策などは、個人で対策を立てるのは非常に困難でしょう。
スクールや通信講座はこの辺りの対策も立ててくるため、そのような受講生たちに比べると、独学者は不利と言わざるを得ません。
特に、「一般常識」は出題範囲に限定がないため、この差は大きいでしょう。
まとめ:独学に固執するのは危険
最後にまとめておきます。
◆社労士試験は独学では合格が難しい理由
- 試験範囲が広すぎて、要点を絞れないから
- 法改正や判例にも対応する必要があるから
- 足切り制度が大きなネックになるから
- 過去問でしか本試験対策ができないから
繰り返しになりますが、独学で社労士試験に合格することは、絶対に不可能ではありません。
勉強のコストを抑えられる点や、自分のペースで勉強を進められる点など、独学ならではのメリットも存在します。
しかしながら、独学で社労士試験に合格するのは非常に難しく、何年かかっても合格できないリスクがあることを事前に認識しておく必要があります。
お金だけでなく費やす時間も考慮すれば、スクールや通信講座を受講して効率よく合格を目指した方が、長い目で見ればお得な場合もあるでしょう。
この辺りの考え方は人によって異なるでしょうが、いずれにせよ独学に固執するのは危険です。
ぜひとも長期的な視点を持って、検討していただきたいと思います。
最終的な目標は、あくまで試験に合格することです。
その点はお忘れなきよう、ご注意ください。
▼社労士のオススメ通信講座については、下記の記事をご参照ください。
以上、またお会いしましょう。