こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「面接で前職を辞めた理由を聞かれた時は、どう答えればいいの?」
転職活動中であれば、このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
「前職を辞めた理由」は面接の定番の質問の1つとも言えますが、実際に回答するとなると、なかなか正直に答えづらいものです。
というのも、多くの方が「残業が多かったから」「人間関係が最悪だったから」「年収が低かったから」といった、ネガティブな理由であるからです。
事実、厚生労働省のデータでも、これらの理由が上位を占めています。
◆前職を辞めた理由TOP3
とはいえ、これらの退職理由を面接で正直に伝えてしまうと、面接官に与える印象はあまり良くないでしょう。
かといって、嘘の退職理由を伝えるわけにもいきません。
果たして面接で前職を辞めた理由を聞かれた時は、どのように答えればいいのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私も転職歴は4回あり、さらに8年近く人事部として採用する側の実情も見てきましたので、多少の参考にはなるかと…。
▼面接中の雑談の真意については、下記の記事をご参照ください。
なぜ面接で前職を辞めた理由を聞かれる?
そもそもですが、なぜ面接官は前職を辞めた理由を聞いてくるのでしょうか?
この点については、いたってシンプルで、「応募者がすぐに辞めないか?」を見極めたいからです。
採用担当者にとって最もツラいことの1つが、採用した人間にすぐ辞められることです。
すぐに辞められてしまうと、採用コストが無駄になったり、新たにまた人を採用する手間がかかったりするのはもちろんのこと、「何であんなヤツを採用したんだ?」と周りから白い目で見られてしまい、肩身が狭くなります…。
そのため、面接官は応募者の前職を辞めた理由を聞き出して、「また同じ理由でウチを辞めないか?」と慎重に見極めているのです。
前職を辞めた理由を回答する際のポイント
では本題に戻って、実際に面接で前職を辞めた理由を聞かれた時は、どのように回答すればいいのでしょうか?
その際のポイントは、以下の2つです。
- 面接官から納得感を得やすい回答を意識する
- 前職を辞めた理由から応募先企業への志望動機へと繋げる
1つ目のポイントは、「面接官から納得感を得やすい回答を意識すること」です。
前述の通り、面接官が前職を辞めた理由を聞いてくる目的は、「すぐに辞めないか?」を見極めることです。
であれば、「そのような理由であれば、辞めざるを得ないな…」といったように、納得感を得やすい回答をすれば面接官の不安も払拭できます。
そして2つ目のポイントは、「前職を辞めた理由から応募先企業への志望動機へと繋げること」です。
具体的には、
「前職はこんな理由で辞めざるを得なかった」 ⇒ 「御社であれば、自分の希望を実現できる」 ⇒ 「だから応募した」
と繋げていくのです。
このような流れにすれば、面接官の納得感を得た上で入社意欲のアピールにも繋がるため、非常に効果的と言えるでしょう。
前職を辞めた理由のケース別回答例
前章で「前職を辞めた理由を回答する際のポイント」について解説しましたが、文章で説明するだけではわかりづらいかと思います。
そこで本章では、「前職を辞めた理由のケース別回答例」をいくつかご紹介します。
これらの回答例を参考にした上で、ご自身の状況に合わせて応用してみてください。
労働条件の悪さを理由に辞めたケースの回答例
まずは、過度な残業や休日出勤が常態化していたなど、労働条件の悪さを理由に前職を辞めたケースの回答例をご紹介します。
前職では月の残業時間が80時間を超えており、休日出勤も常態化しておりました。
仕事自体はとてもやりがいを感じておりましたが、日々の睡眠時間を確保するのも難しく、体調も崩しがちであったため、長期的に働ける環境ではないと判断いたしました。
御社では全社的に業務の効率化を図っており、新たなシステムや制度なども積極的に取り入れていると伺っています。
そのため、御社であれば私自身も最大限のパフォーマンスを発揮できると思い、志望いたしました。
ただ単に前職の労働環境を伝えるだけでは、「残業したくない」「休みが多くほしい」人間と思われる可能性があります。
そのため、「仕事自体は好きだったが、体調面やワークライフバランス面で不安があった」と繋げていけば納得感を得やすいでしょう。
最近は人件費削減の観点から、残業について厳しく管理する企業も増えています。
そのため、「仕事では成果だけでなく、効率性も重視する」旨のアピールをすれば、好印象に繋がることも多いでしょう。
人間関係を理由に辞めたケースの回答例
続いて、パワハラが横行していたなど、人間関係を理由に前職を辞めたケースの回答例をご紹介します。
前職は個人主義の傾向が強く、情報の共有や円滑なコミュニケーションが難しい環境でした。
競争によってお互いを高めていく環境も、それはそれでやりがいがありましたが、各人が自分自身の成果だけを追い求めるようになり、全社的な目標が軽視されている状況にずっと違和感がありました。
御社の新規プロジェクトでは、チーム一丸となって成功を目指す方針だと伺っております。
私自身も円滑なコミュニケーションや情報共有によって、チームで業績を上げていく働き方がしたいと思っており、今回志望いたしました。
ただ単に、前職のパワハラや行き過ぎた個人主義などの事実を伝えるだけでは、協調性のない人間と思われる可能性があります。
そのため、環境のせいにするのではなく、「よりパフォーマンスを発揮できる環境を求めている」と繋げていけば納得感を得やすいでしょう。
人間関係のトラブルは、どんな職場でも発生します。
よって、「ウチでも人間関係を理由に辞めるのではないか?」という、面接官の不安を払拭させることを意識しましょう。
年収の低さを理由に辞めたケースの回答例
最後に、給与が低かったなど、年収の低さを理由に前職を辞めたケースの回答例をご紹介します。
前職では給与水準が低く、経済的なゆとりがありませんでした。
仕事自体はとてもやりがいを感じておりましたが、将来の結婚やマイホーム購入のことを考えると、経済的に非常に厳しい状況でした。
上司とも何度か相談しましたが、今の企業業績では大きな昇給も望めず、長期的に働ける環境ではないと判断いたしました。
御社では成果に応じて、相応のインセンティブやポジションが得られると伺っております。
実績を正当に評価してもらえる御社であれば、私自身も大きなモチベーションを持って業務に取り組めると思い、志望いたしました。
ただ単に、前職の年収の低さを伝えるだけでは、「お金のことしか考えていない」人間と思われる可能性があります。
そのため、「今の年収では生活が苦しい」「将来的に結婚を考えている」などの理由を挙げた上で、「御社でしっかりと結果を残して、正当に評価されたい」と繋げていけば納得感を得やすいでしょう。
面接官から、「結果を残していないから、給与が低かったんじゃないの?」と思われないようにすることが重要です。
まとめ:前職を辞めた理由はアピールのチャンス
最後にまとめておきます。
- 面接官が前職を辞めた理由を聞いてくるのは、「応募者がすぐに辞めないか?」を見極めたいからである
- 前職を辞めた理由を聞かれた時は、面接官から納得感を得やすい回答をするのがベストと言える
- 前職を辞めた理由から応募先企業への志望動機へと繋げられれば、前向きな印象になるだけでなく、入社意欲のアピールにもなる
退職理由は人によってさまざまでしょうが、それをそのまま面接で伝えてしまうと、どうしてもネガティブな印象になりがちです。
しかし、納得感を得やすい理由から応募先企業への志望動機へと繋げていけば、入社意欲のアピールにもなります。
そういった意味では、前職を辞めた理由はアピールのチャンスにもなり得ると言えます。
「ピンチをチャンスに変える」ではありませんが、ここは1つ前向きに捉えて、前職を辞めた理由をうまく利用しましょう。
私の前職を辞めた理由は、「昼寝ができなかったから」なのですが、この場合は面接でどう伝えればいいのでしょうか?
………。
以上、またお会いしましょう。