こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「準社員と正社員って、具体的に何が違うの?」
転職活動中であれば、このような疑問をお持ちの方も多いかと思います。
求人票の中には、準社員という形で人材を募集している企業もあります。
正社員と違い、準社員というのはあまり見慣れない雇用形態であるため、両者の違いについて気になっている方もいらっしゃるかもしれません。
果たして準社員と正社員では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私も社労士の資格を有しており、さらに人事部としての実務経験も8年近くありますので、多少の参考にはなるかと…。
準社員とは?
そもそもですが、準社員という言葉に明確な定義は存在しません。
実際、労働基準法や労働契約法においても準社員という雇用形態は存在せず、企業が独自に作り上げた雇用形態であると推測されます。
なぜ準社員という言葉が生まれたのか、その経緯は不明です。
ただ、「社員」と付くと聞こえがいいため、それを利用して労働者を集めようとする企業が増え、準社員という言葉が徐々に浸透していったのかもしれません(※あくまで推測ですが…)。
そのため、準社員の扱いや位置付けは、企業によって大きく異なるのが実情です。
中には契約社員やアルバイトと実質中身は同じであるにもかかわらず、あえて準社員という言葉を使っている企業もあるため、ご注意ください。
準社員と正社員の違い
それでは本題に戻って、準社員と正社員の一般的な違いについて見ていきましょう。
具体的には、以下の通りです。
準社員 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用期間 | 定められているケースが多い | 定められていない(無期限) |
責任の範囲 | 正社員に比べると限定されている | 広い |
給与 | 正社員よりも低い | 優遇される |
ボーナスの支給 | 支給されない場合が多い | 基本的に支給される |
転勤の可能性 | 基本的にはない | あり |
なお、前述の通り、準社員の扱いや位置付けは企業によってさまざまであるため、詳細は必ず就業規則などで確認しておきましょう。
就業規則なんて、我々のような従業員が見られるのですか?
就業規則には周知義務があるので、大丈夫です。
確認方法がわからなければ、担当部署(人事部など)に確認してみましょう。
雇用期間
正社員は基本的に雇用期間に定めがなく、定年まで働き続けることを前提としています。
それに対し、準社員の場合は雇用期間が定めれているケースが一般的です。
雇用期間が定めれている場合には、契約期間の満了によって雇用が終了する可能性があるため、注意が必要です。
なお、契約の更新の有無については、労働者に対して明示することが企業側に義務付けられているため、雇用契約書あるいは労働条件通知書で必ず確認しておきましょう。
◆更新の有無の記載例
- 自動的に更新する
- 更新する場合があり得る
- 契約の更新はしない
参照:厚生労働省『有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準について』
責任の範囲
責任の範囲に関しては、準社員は正社員に比べて限定的であることが一般的です。
そのため、準社員は正社員よりも比較的責任が軽く、プライベートも優先させやすいでしょう。
とはいえ、責任の範囲についてはあいまいになっている企業も多く、「準社員の方が責任が軽い」とは一概には言い切れないのが実情です。
給与
給与については、準社員という名称からも察しがつくように、全般的に正社員よりも冷遇されるのが一般的です。
同様に昇給についても、正社員に比べて昇給額が低かったり、昇給のチャンスが少なかったりすることが多いでしょう。
これについては、責任が重い人間ほど高い給与が支払われるのは当然と言えば当然であるため、ある意味仕方のない部分ではあります。
ただし、中には正社員とほとんど変わらない責任を負わされているにもかかわらず、準社員だからという理由で安い賃金しか支払わない企業も存在するため、注意が必要です。
ボーナスの支給
ボーナスの支給については、正社員は基本的に支給されるのに対し、準社員の場合は支給されないのが一般的です。
中には準社員にもボーナスを支給する企業もありますが、その場合であっても、正社員と同程度の金額は支給されないケースがほとんどです。
転勤の可能性
転勤の可能性については、正社員とは違い、準社員は基本的にありません。
ただし、これも企業によって異なるため、場合によっては準社員であっても転勤を命じられることがあるかもしれません。
転勤の可能性がある場合には、雇用契約書あるいは労働条件通知書にその旨の記載があるハズなので、必ず確認しておきましょう。
余談ですが、契約社員やアルバイトであっても、勤務地が限定されていない場合には転勤を命じられる可能性があるため、注意が必要です。
準社員から正社員になれる?
準社員から正社員になれるかどうかは、これまた企業によって異なるため、事前に就業規則などで確認しておきましょう。
そもそも「準社員から正社員への登用」が制度として存在しない企業であれば、どんなに頑張っても正社員に登用されることはないため、ご注意ください。
ただし、正社員への登用制度があったとしても、制度が形骸化していたり何かと理由を付けて先延ばしにしたりする企業もあるため、注意が必要です。
そのような企業であれば、早い段階で転職も視野に入れた方がいいでしょう。
準社員の経験であっても、職歴として十分に活かせます。
まとめ:1つの職場にしがみつくのは危険
最後にまとめておきます。
◆準社員と正社員の違い
準社員 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用期間 | 定められているケースが多い | 定められていない(無期限) |
責任の範囲 | 正社員に比べると限定されている | 広い |
給与 | 正社員よりも低い | 優遇される |
ボーナスの支給 | 支給されない場合が多い | 基本的に支給される |
転勤の可能性 | 基本的にはない | あり |
前述の通り、準社員という言葉に明確な定義は存在しないため、準社員の扱いや位置付けは企業によって大きく異なります。
中には正社員と同じ責任を負わせておきながら、「準社員だから」という理由で安い賃金しか支払わない企業も存在するため、注意が必要です。
いずれにせよ、1つの職場にしがみつくのは危険と言えます。
明らかに待遇が悪かったり、正社員への登用の見込みがなかったりする場合には、早々に見切りをつける決断力も必要となってくるでしょう。
私は『自宅警備員』として定年まで勤めあげるつもりなので、雇用形態について気を揉む必要はなさそうですね。
………。
▼非正規雇用から正社員への転職を目指している人は、下記の記事をご参照ください。
以上、またお会いしましょう。