こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「退職日までに有給休暇を全部消化できないんだけど、この場合は余った有給休暇は買い取ってもらえるの?」
退職が決まっているのであれば、このような疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。
有給休暇はあくまで権利であるため、在職中に消化できなければ未消化分は消滅するのが原則です。
しかしながら、次の職場の入社日との兼ね合いなどで、退職日までに全ての有給休暇を消化できないケースもあるかと思います。
果たして有給休暇が残ったまま退職する場合には、余った有給休暇を買い取ってもらうことは可能なのでしょうか?
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私も社労士の資格を有しており、さらに8年近く人事部として退職の手続きに携わってきましたので、多少の参考にはなるかと…。
▼ボーナスをもらってから退職することの是非については、下記の記事をご参照ください。
有給休暇の買取は違法?
そもそもですが、有給休暇の買取は違法ではないのでしょうか?
確かに有給休暇の買取は、原則として禁止されています。
というのも、有給休暇の買取が認められてしまうと、使用者側が一方的に労働者側の休む権利を奪うことになり兼ねないからです。
しかし、退職時には労働者側の休む権利を一方的に奪う恐れがないため、「退職によって無効になる有給休暇」は例外的に買取が認められています。
このように、有給休暇の買取はあくまで原則として禁止なだけであり、退職時の未消化分の買取については、例外的に違法とならないのです。
有給休暇の買取が可能かどうかは、就業規則で確認が必要
さて、「退職によって無効になる有給休暇」の買取は認められているとしても、残念ながら全ての職場で買い取ってもらえるとは限りません。
なぜなら、あくまで買取が認めれているだけであって、使用者側に買取の義務はないからです。
よって、有給休暇の買取が可能かどうかは、就業規則で確認する必要があります。
もし就業規則に買取可能の記載があれば、その職場では認められていることになります。
※その場合は買取金額についても記載があるハズなので、併せて確認しておきましょう。
そもそも就業規則なんて、我々のような従業員が見られるのですか?
就業規則には周知義務があるので、大丈夫です。
確認方法がわからなければ、担当部署(人事部など)に確認してみましょう。
なお、就業規則に記載が無かったとしても、慣例的に認められている場合もあるため、念のため上司や人事部に確認してみましょう。
有給休暇は消化と買取のどっちがお得?
仮に有給休暇を普通に消化してから退職する場合と、消化前に退職して有給休暇を買い取ってもらう場合の両方が選択できる場合には、どちらの方がお得なのでしょうか?
例えば、退職後に転職活動を始める予定の方は、次の職場の入社日を気にする必要がないため、どちらも選択可能であるかと思います。
この点については、結論から言えば、有給休暇を普通に消化してから退職する方がお得です。
理由としては…、
- 金銭的に有利だから
- 空白期間(ブランク)ができないから
の2つが挙げられます。
1.の「金銭的に有利だから」というのは、単純に普通に消化した方が買取よりも金額的にお得となるからです。
有給休暇の買取金額については職場が独自に決められますが、多くの職場では「平均賃金の80%」といったように、普通に支払われる給与より低めに設定されています。
2.の「空白期間(ブランク)ができないから」というのは、有給休暇の消化中はその職場に在籍していることになり、空白期間に該当しないからです。
退職後に転職を考えているのであれば、空白期間は0もしくは短いに越したことはありません。
以上の点から、有給休暇を普通に消化してから退職した方が有利と言えます。
よって、「1日でも早く今の職場との縁を切りたい」などの特別な事情がなければ、有給休暇は普通に消化するのがいいでしょう。
まとめ:有給休暇の買取については、事前に確認しておきましょう
最後にまとめておきます。
- 有給休暇の買取は原則として禁止されているが、「退職によって無効になる有給休暇」は例外的に買取が認められている
- 実際に有給休暇の買取が可能かどうかは、就業規則で確認しておく必要がある
- 退職時の有給休暇は、買取ではなく普通に消化した方がお得である
私も人事部勤務の経験上、有給休暇の取り扱いについて退職者と揉めることが度々ありました。
無用なトラブルを避けるためにも、有給休暇の買取の可否については、事前にしっかりと確認しておくことをオススメします。
有給休暇はどうしても溜まりがちになります。
退職を検討する際は、有給休暇の残日数もチェックしておきましょう。
あなたは日頃からサボりで有給休暇を使いまくっているので、未消化の心配はないでしょう。
以上、またお会いしましょう。