こんにちは、夢頭(ユメガシラ)です。
「年収をアップさせたい…」
このようにお考えの方は、多いかと思います。
ちなみに私は、勤務中は常に考えていました(←仕事しろよ!)。
しかしながら、年収を上げるのは容易なことではありません。
一般的な年収を上げる方法としては…、
- 成果を上げて昇給を目指す
- 残業をしまくって残業代で稼ぐ
などがありますが、正直両方ともあまり効率的ではありません。
1.の「成果を上げる」というのは、そもそもそれ自体が難しいですし、仮に成果を上げても昇給に直結するのかどうかは怪しいところです。
2.の「残業をしまくる」というのも、体力的や精神的な負担が大きいですし、何より昨今は働き方改革や人件費削減等の影響で、残業がしづらい環境になってきています。
このように年収を上げるというのは、容易なことではありません。
これでは、転職するしか方法は無いようにも思えてきます…。
しかしながら、実はいとも簡単に年収を上げる方法が1つだけあります。
それは…、
「もらえるハズの手当を見つけ出す」
ことです。
………。
………。
………帰ります。
期待した私がバカでした。
ちょっと待ってください…。
ふざけているわけではありません。
実は支給要件を満たしていて、本来ならもらえるハズの手当が存在する。
そんな可能性が0ではないため、念のために確認しておこう。
そんな話です。
確かに該当する方は少ないかもしれませんが、もし発見することができたら申請するだけで毎月の給与が簡単に上がるため、確認だけでもしてみる価値はあるでしょう。
今回はこの点について、書いていきたいと思います。
一応、私自身も人事部で8年以上の給与計算の経験があるので、多少の参考にはなるかと…。
諸手当とは?
そもそも諸手当とは、何なのでしょうか?
基本給とは何が違うのでしょうか?
基本的に毎月の給与は、
基本給+諸手当
で構成されています。
基本給とはその名の通り、最低限もらえる基本的な給与のことです。
勤続年数・職種・年齢・能力などに応じて、それぞれの職場の給与基準によって金額が決定されます。
ボーナスの基準となるのも、この基本給です。
「ボーナスは給与〇ヶ月分」という表現の場合、給与とは基本給を指します。
一方、諸手当とは各職場のルールよって、独自に設けられている支給項目です。
その目的はさまざまでしょうが、いちばんの目的は基本給以外の部分で給与の金額を調整することです。
例えば、年齢・勤続年数・実績がほぼ一緒の従業員のAさんとBさんがいるとしましょう。
Aさんは独身で、Bさんは家族持ち(扶養する家族がいる状況)と仮定します。
この場合、一般的に家族持ちの人の方がお金が必要でしょうから、Bさんの給与を優先して上げたいところです。
しかし、安易に基本給を上げてしまうと、同じ年齢・勤続年数・実績のAさんとの間で不公平が生じています。
そこで、「扶養手当」などの名目でバランスを取るのです。
このように諸手当は、従業員間の給与の金額を調整を図る目的で使われることが多くなっています。
諸手当は申請しないともらえない
さて、諸手当について最も重要なことは…、
「諸手当は申請しないともらえない」
ということです(当然と言えば当然ですが…)。
もともと付いている手当は別ですが、「扶養手当」や「住宅手当」などは申請しなければ、職場としても知りようがありません。
子どもが生まれたり一人暮らしを始めたりしただけで、勝手に手当が付くわけではないのです。
特に注意すべき点は、通常の社内手続きと給与の手当申請の手続きは別であるということです。
※たまにセットになっている職場もありますが、多くの職場では手続きが別々になっています。
例えば、子どもが生まれた場合にはその子の保険証が必要なので、そのための社内手続きを忘れることはないでしょうが、給与の「扶養手当」などの申請はつい忘れがちになります。
もしくは、一人暮らしを始めた場合も、住所変更や通勤費の手続きを済ませただけで、給与の「住宅手当」などの申請は忘れてしまうことがあるかもしれません。
親切な職場であれば、申請漏れを教えてくれるかもしれませんが、一般的な職場は申請がなければ基本的にダンマリです…。
よって、この機会に「もらえるハズの手当の申請漏れがないか確認してみよう」というわけです。
一般的な諸手当
前述の通り、諸手当の種類は職場によってさまざまです。
そこで本章では、多くの職場で設けられている一般的な諸手当をご紹介したいと思います。
具体的には、以下の通りです。
- 残業(時間外・深夜・休日)手当
- 通勤手当
- 役職手当
- 資格手当
- 住宅手当
- 地域手当
- 単身赴任手当
- 扶養手当・家族手当
なお、手当の名称が同じであっても、その性質や支給要件は企業によってさまざまなため、賃金規定(就業規則の一部)で詳細を確認するようにしましょう。
賃金規定なんて、我々のような従業員が見られるのですか?
賃金規定(就業規則)には周知義務があるので、大丈夫です。
確認方法がわからなければ、担当部署(人事部など)に確認してみましょう。
残業(時間外・深夜・休日)手当
定番中の定番ですが、残業した時に支払われる手当です。
残業代の不支給は労働基準法違反になるため、基本的にどの職場でも存在します。
なお、残業の種類には以下の3つが存在し、それぞれ賃金の割増率も異なります。
- 時間外手当 → 1日8時間or週40時間を超えて働いた分 割増率:25%
- 深夜手当 → 22時から翌日5時までに働いた分 割増率:25%
- 休日手当 → 法定休日(週1日or4週間で4日)に働いた分 割増率:35%
これらをまとめて残業手当として支給する職場や、それぞれを独立させて支給する職場もあります。
なお、職場によっては、みなし残業代(固定残業代)を導入しているケースもあります。
みなし残業代(固定残業代)とは、あらかじめ一定時間の残業を見込み、その時間分の残業代を給与に含めて支給する制度のことです。
例えば、月20時間分のみなし残業代(固定残業代)が定められている場合には、その月に残業を一切していなくても手当の満額が支給され、仮にその月に24時間残業した場合には、差額の4時間分の残業手当が追加支給されます。
残業手当の計算は給与計算担当者も間違いやすいため、きちんと残業代が支給されているか、給与明細を毎月確認するようにしましょう。
大企業であっても、計算ミスによる残業手当の支給漏れがたびたび発生しています。
給与明細を確認するクセをつけておいた方がいいかもしれません。
通勤手当
これも定番中の定番ですが、通勤(交通費)のための手当です。
通勤手当の支給方法は職場によって異なり、毎月支給される場合や定期代半年分を6ヶ月に1回支給される場合など、実にさまざまです。
引っ越しなどをすると通勤費が変わることが多いでしょうから、忘れずに職場に報告するようにしましょう。
▼ちなみにですが、仮に通勤手当の支給がなかったとしても、違法ではありません。
役職手当
役職が付けば責任も重くなるぶん、手当が付くケースもあります。
役職の種類や名称は職場によって千差万別で、手当の金額もさまざまです。
※中には、手当が付かない役職もあります。
賃金規定に各役職手当の金額も記載されているハズなので、気になる方は確認しておきましょう。
資格手当
業務に関する資格を持っていると、手当が出る場合があります。
当然ながら、資格を取得したことは、申告しなければ職場も把握しようがありません。
賃金規定で確認してみましょう。
手当ではないですが、資格の取得を推奨している職場では、受験費用を負担してくれる場合もあります。
住宅手当
持ち家があったり賃貸で住んでいたりする場合には、手当が付くケースがあります。
支給要件は職場によってさまざまでしょうが、世帯主であることが条件のパターンが多いかと思います。
これも当然ながら、家を買ったり借りたりしたことは、申告しなければ職場も把握しようがないため、注意が必要です。
地域手当
地域によって物価水準が違うため、物価の高い地域(東京都など)に住んでいると、手当が付くケースがあります。
転勤等で県をまたぐ移動があった時には、地域手当が関係してくることもあるでしょうから、確認が必要です。
単身赴任手当
業務命令で単身赴任を余儀なくされた時は、手当が付くこともあります。
職場からの命令で単身赴任をしているため、本人の申告ナシでも自動的に手当が付くケースが多いでしょうが、中には申告しないともらえない職場もあるかもしれません。
単身赴任をしている方は、賃金規定で確認してみましょう。
扶養手当・家族手当
家族がいると手当が付く場合もあります。
一般的には、実際に家族を扶養しているのが条件の場合には「扶養手当」で、扶養しているかいないかに関係なく家族がいれば支給されるのが「家族手当」です。
しかし、名称やその性質は職場によってさまざまなため、賃金規定で確認する必要があります。
扶養していることが条件と勝手に勘違いしていて、実はそうではなかった可能性もあるため、一度確認しておいた方がいいでしょう。
諸手当の確認方法から申請までの流れ
それでは実際に、諸手当の確認方法から申請までの流れを見ていきましょう。
具体的には、以下の通りです。
- 給与明細や賃金規定で諸手当の種類を確認
- 要件に該当する手当がないか確認
- 実際に申請
①給与明細や賃金規定で諸手当の種類を確認
まずは、賃金規定で実際にどんな種類の手当があるのか、確認しましょう。
給与明細でも諸手当の確認はできますが、職場によっては支給が無い項目は、そもそも項目名も表示されない場合があります。
それに、給与明細だけでは諸手当の性質や支給要件まではわかりません。
よって、必ず賃金規定を確認するようにしましょう。
②要件に該当する手当がないか確認
賃金規定で確認した後は、実際に支給要件に該当する手当がないか確認しましょう。
代表的なものが、前述の「扶養手当」と「家族手当」です。
「扶養手当」は実際に扶養している者がいないと支給対象になりませんが、「家族手当」は扶養に関係なく、家族がいるだけで支給対象となる場合があります。
この辺りは職場の規定によりけりなので、賃金規定でよく確認しましょう。
③実際に申請
実際に支給要件に該当する手当が見つかった場合には、担当部署(人事部など)に連絡しましょう。
無事に支給要件を満たしているようであれば、申請方法(申請書の提出やWeb上での申告)を確認して実際に申請します。
なお、たいていは給与への反映の締め日が設けられているハズです。
例えば、その月の10日までに申請の処理が完了していなければ、今月の給与には反映されない…などです。
よって、申請はなるべく早めに済ませておくことをオススメします。
申請が受理されれば手当が支給されるため、これで念願の年収アップです。
諸手当の遡り支給は認められる?
さて、ここで1つ気になるのが、「申請が漏れていた諸手当は、遡り支給が認められるか?」ということです。
例えば、「住宅手当」の要件を満たしていたのが1年前だったとしたら、未支給だった1年分もまとめて支給してもらえるのでしょうか?
この点については、残念ながら遡り支給はほとんど認められないと思います。
中には認めてくれる良心的な職場もあるかもしれませんが、ほとんどの職場では認められない可能性が高いでしょう。
基本的には、支給する側の落ち度がない限り(申請していたのに処理が漏れていたなど)は、遡り支給は認められないと思っていた方がいいでしょう。
※ダメもとで一度交渉してみるのは、いいとは思いますが…。
まとめ:確認するだけなので、基本的にはノーリスク
最後にまとめておきます。
◆諸手当の確認方法から申請までの流れ
- 給与明細や賃金規定で諸手当の種類を確認
- 要件に該当する手当がないか確認
- 実際に申請
「もらえるハズの手当がないか確認して、もし発見できたら速やかに申請する」
たったこれだけです。
これだけで年収がアップする可能性があります。
確かに該当する方は少ないかもしれませんが、賃金規定を確認するだけなので基本的にはノーリスクです。
年収を上げたいのであれば、一度ダメもとで確認だけでもしてみてはいかがでしょうか?
手当の種類は、職場によって本当にさまざまです。
これを機に、諸手当の種類や性質を把握しておくのもいいかと思います。
個人的には、「昼寝手当」を作ってほしいですね。
▼昇給交渉を検討している方は、下記の記事をご参照ください。
以上、またお会いしましょう。